「草の根技術協力3年目を迎えて~中国石家荘市からのお便り」(2013年6月1日)

☆ 健康あれ・これ 第125回
  「 草の根技術協力3年目を迎えて~中国石家荘市からのお便り 」
          あいち健康の森健康科学総合センター長
                あいち介護予防支援センター長      津下 一代

 3年間計画の草の根技術協力プロジェクトが3年目を迎えました。今年もプラザのメンバーとともに中国河北省石家
荘市に1週間滞在、プロジェクトの進展状況を確認したり、日本での経験をもとにアドバイスしたりして過ごしていると
ころです。

 これまでの2年間は、末端の保健医療施設での健康教育の力量を高めることに注力してきました。その様子はプラ
ザHPでご紹介しています。
(昨年の様子はhttp://www.ahv.pref.aichi.jp/www/contents/1001000000831/index.html
 今回は彼らが実際に健康教育をしているところを見て、アドバイスしてくれとのこと。医師、看護師が血圧について
寸劇を交えて住民に講話、血圧はどうすると高くなるのか、どうやって測るのが正しいのかなど、住民への質問を加
えながら楽しく展開していました。
 住民からは「高血圧だけど運動はどうしたらよいのか?」「いつかは薬をやめることができるのか?」など、私たち
にも積極的な質問が寄せられました。

 今年度の新しい取り組みは健康づくりのための住民組織を立ち上げることです。愛知県で養成している「健康づくり
リーダー」の石家荘市版で、日ごろの食生活の改善や運動などを地域や職場で広げてくれる人材「健康指導員」を養
成したいとのことです。
 住民組織の代表やアパートの管理人、体操の先生、リタイアした男性などの健康指導員が集まり、減油・減塩の学
習会。そのあと健康指導員が講師になって、「計量スプーンを使って油や塩の量を測って料理するといいよ」と、血圧
高めのご近所さんに勧めるロールプレイを緊張気味にやっていました。
 なぜ、健康指導員になろうとしたのかを尋ねると、「自分が高血圧になって、食事に気をつけ始めたから」、「家族の
健康状態が心配で・・」「体操をみんなでしたいから・・」など。日本のリーダーさん、ヘルスメイトさんの動機に通じるも
のがあります。

 「健康自測小屋」というブースを、科学館や会社、アパートの集会場など人の集まりやすいところ50か所に設置して
いるのも新しい取り組みです。1m×2m程度のブースに、血圧計、体重計、体脂肪率計が設置され、測定法や判定
基準のパネルが掲げられています。
 人々が身近なところで健康について関心を持つように始めたもので、市が設置場所を公募したところ3日間で100
以上の申し込みがあったとか。健康に関心を持てる環境づくりを推進することも大切ですね。
 
 今回は日中情勢がやや心配な中での訪中でしたが、一般の住民からも専門家からも温かく迎えられ、日本の技術
や経験を少しでもモノにしたい、と貪欲に学ぶ姿がありました。
 本プロジェクトを始めた時には、「○○すべし」型の健康教育が主体で、「やらない人はやらないから悪い」という姿勢
も見え隠れしていたのですが、文字だらけのテキストからイラスト入りに変わり、相手にわかるように説明したい、やる
気を高めるためにはどうすればよいのか、を議論できるようになったのは、この3年間の足跡かな、と思ったことでし
た。