「JICA研修員の活躍」(2013年7月16日)

☆ 健康あれ・これ 第128回
  「 JICA研修員の活躍 」
            健康科学総合センター健康開発部長 村本 あき子

 今年もあいち健康プラザには、開発途上国から独立行政法人 国際協力機構(JICA)の研修員が、1か月間の生活習慣病
予防対策研修に来られました。
 開発途上国においても我が国と同様に、急激な食生活の変化や交通機関の発達に伴って、肥満症や生活習慣病が増加し
ています。

 健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)や特定健診・特定保健指導制度といった日本の生活習慣病対策や、愛
知県における生活習慣病対策について、あいち健康プラザで行っている健康度評価の体験や健康づくり教室の紹介、小中学生
への健康教育、健康づくりのための人材養成等について研修し、最後にはこの1か月間の講義や見学・体験を活かしてアクショ
ンプランを作成、帰国した後に実際にどんな取り組みをするのか発表してもらいます。

 研修期間の半ばには「プログレスレポート発表会」がありました。昨年来日した研修員が、研修を終えて自国に戻ってから実
際にどんな活動をしているかを発表する機会です。各国とテレビ回線をつなぎ、昨年の研修員と今年の研修員、我々スタッフ
が国の距離を超えて時間を共有しました。
 今回はタイ、スリランカ、フィリピンの研修員から報告がありました。中でも印象深かったのはタイの病院で臨床医として勤務
しているGさんの発表です。テーマは、増加の一途をたどる新規糖尿病患者数を減らすための対策についてでした。

・ Gさんに加えて、看護師、栄養士、運動療法の専門家、薬剤師、事務職でチームを形成し、まずGさん自身が昨年の研修
   内容をもとにチームスタッフを教育した。

・ 糖尿病予備群に該当する人を対象としてワークショップを開催した。減量に関しては、エネルギーの摂取量を減らし、消費
   量を増やすために、具体的にどんな工夫をしたらよいのか、視覚に訴えるわかりやすい教材を作成した。メンタルヘルスにも
   力を入れ、国民の大半が仏教徒であるので僧侶に関わってもらう、タイの薬草を用いるといったタイならではの工夫をプログ
   ラムに取り入れた。

・ 今後はこのワークショップに参加した人と参加しなかった人とで健診結果を比較し、効果を検証する予定である。

・ 長期的な目標として、患者家族や友人、ひいては地域の全ての人に生活習慣改善を広げていきたい。

 討論に参加した今年の研修員は、先輩方の帰国後の活躍に勇気をもらった様子でした。私たちも、世界各地でそれぞれの
困難を乗り越えながら、しかし、とても生き生きと生活習慣病予防対策を進めている様子を拝見し、元気をいただきました。