「子どもの肥満予防」(2013年8月16日)

☆ 健康あれ・これ 第130回
  「 子どもの肥満予防 」
            健康科学総合センター健康開発部長 村本 あき子

 先日、あいち健康プラザでは「学童~思春期の生活習慣病予防研修-肥満糖尿病を中心に-」と題して、研修会を開催
しました。おもな参加者は、愛知県下の小・中学校、高等学校の養護教諭の先生方です。

 肥満傾向児(身長別標準体重の20%以上)の出現率は、男子では15歳で最も高く11.4%、女子では12歳で8.6%
が該当しています(平成24年度学校保健統計調査)。
 肥満の原因として、食生活の変化や、外遊びが減りテレビやゲームなど室内で遊ぶ時間が増えたこと、睡眠時間の短
縮といったことが指摘されています。

 子どもにおいても、肥満があるとインスリン抵抗性(注1)が悪化することが示され、小児2型糖尿病児のほとんどに肥満
がみられること、また、小児期に肥満があっても成人期までに肥満を解消していれば、小児期から肥満の無かった場合と
比べて高血圧、糖尿病といった生活習慣病発症に差がないとの研究結果もあることから、小児期の肥満対策が重要であ
ると考えられます。

 子ども(特に小学生まで)の生活習慣は、家族から大きな影響を受けます。
実際に、小学生男子のBMI(body mass index、体格指数)は父親のBMIと関連が大きく、小学生女子のBMIは両親
、特に母親のBMIと関連が大きいことが報告されています(注2)。子どもの健康状態改善には、子どもを取り巻く家族も
一緒に生活習慣を改善することが重要ということになります。

 中学生、高校生になると、家庭以外の場で活動する機会が増えるのに伴い、行動を自ら選択する場面が増えてきます
。例えば、塾までの移動手段はどうするか、夕食を遅い時間帯にしか食べられない時に何をどう食べるか、知識があれば
肥満を予防できます。さらに、食事を自分で用意できる技術が身についていれば言うことなし、です。

 研修会では、学校の放課の過ごし方、休日に家族みんなで身体活動量を増やす方法、コンビニを活用する場合のお弁
当や間食・飲み物の選択法、部活を引退した後の食事摂取量の考え方などを、あいち健康プラザ「健康科学館」で用いて
いる手作りの教材も見てもらいながらお伝えしました。
 
 健康日本21(第2次)において、「健康づくりには、個人の生活習慣改善と社会環境の質の向上の両輪が大切であること
」が強調されていますが、今回の研修会を通して、子どもの肥満予防についても、本人のみならず、環境(家庭、学校、地
域等)の整備が重要であることを再認識しました。

 注1: インスリン抵抗性とは、インスリンの分泌量は正常でもインスリンの効き目が悪い状態をいい、糖尿病のみならず
         高血圧や脂質異常などの多くの生活習慣病に共通する病態基盤と考えられています。
 注2: 平成24年度循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「未成年者、特に幼児・小・中学生の糖尿病
         等の生活習慣病予防のための総合検診のあり方に関する研究」