「地域デビュー、自分にあったスタイルで!」(2013年10月1日)

☆ 健康あれ・これ 第133回
  「 地域デビュー、自分にあったスタイルで! 」
          あいち健康の森健康科学総合センター長
                あいち介護予防支援センター長      津下 一代

 秋らしい青空が広がり、運動・文化に、お祭りに・・・と地域での活動の機会が増える季節です。あなたの地域でもウォーキング
大会や市民○○祭などが予定されていることでしょう。
 まず市町村の広報をチェック。時間が合えば、誰がどんなことをしているのかのぞいてみましょう。多くのサークルや市民団体
が年に一度のイベントに向けて張り切っていることでしょう。今年はお客さんで結構。でもいつかは主催者側(運営側)にまわって
みませんか。イベントを100倍楽しめること、間違いありません。

 退職後の居場所がない。これは今まで男性の悩みでした。ところが最近、このような悩みを抱えた女性が増えてきました。昨年
春に退職した知子さん(仮称)もその一人。これまで仕事と家事中心の生活で、地域にはあまり馴染みがありません。子どもは独
立していますが、いまだ孫には恵まれず、「おばあちゃん役」を期待されてはいません。夫が仕事に出かけた後はとくに何すること
なく過ごしていました。仕事をしていた時には、あんなに忙しくて、早く暇になりたいと思っていたのに! ご近所の人の会話にでき
るだけ参加しようと心がけているのですが、すでに出来上がった人間関係の中へ飛び込む難しさ、関心事の違いを感じて、1年
たっても疎外感をぬぐうことはできません。孤独感を感じ始め、閉じこもりがちになってきました。このまま年をとっていってしまうの
でしょうか。

 そんな折、町の健康祭で「健康づくりボランティア(推進員)」募集のお知らせを見つけました。健康のことは大切だとは思ってい
ますが、これまでまとまって勉強したことはありません。ボランティアの経験もないので、どのくらいの負担があるのか、心配です。
ブースで呼びかけをしていた担当者に聞くと、「ぜひ、気軽に来てください!」。とりあえず第一回に参加してみることにしました。
 講座では、「健康」とは病気や障害がないだけでなく、いきいきと生活が充実していることを指すことを学びました。この町ではメ
タボや糖尿病が多く、健診受診率が低いことを初めて知りました。広報に案内を載せてもなかなか住民が動いてくれない、運動習
慣を持つ人が少ないなどの課題を抱えていることも知りました。行政だけでなく、周囲からの働きかけや環境づくりが必要であるこ
とから、ボランティアに活躍の場がありそうです。
 ドキッとすることもありました。閉じこもりがちだと抑うつ状態になりやすく、認知症にもつながっていく可能性があるとのこと。週1
回の社会的な活動をすることが、抑うつ状態を予防するのに役立つこと知り、自分自身の健康のためにも行動を起こす必要性を
感じました。
 まだどのくらい活動できるのか、わかりません。でも先輩ボランティアが生き生きとして役割を楽しんでいる様子をみるにつけ、自
分でもやれることが見つかる気がしてきました。

 愛知県では健康づくりリーダーの養成講座が開始されました。今年も生き生きした目の参加者が多く、これからが楽しみです。
 みなさんの町でも、健康づくり・予防、介護・福祉、保育、防災・防犯、環境づくりなど、多彩な分野で町の皆さんの力を募集してい
ます。「認知症になっても安心して暮らせる町づくり」に取り組む市町村も増えてきました。
 自分の関心のある分野、自分の時間や意欲にみあった形で、お互いを認め合える仲間とともに、活動を広げてみてはいかがでし
ょうか。