「徹夜でがんばります!」の健康への影響は?(2013年11月1日)

☆ 健康あれ・これ 第135回
  「徹夜でがんばります!」の健康への影響は? 
          あいち健康の森健康科学総合センター長
                あいち介護予防支援センター長      津下 一代


 「今日は徹夜してでもがんばらねば・・・」 
 納期がせまった仕事を前に、また定期試験を前に、一夜漬けでがんばった経験、お持ちではないでしょうか? 私も仕事に熱中するあまり?夜なべをしてしまうこともあります。睡眠を犠牲にして得たものは、わずかばかりの達成感と翌日の頭痛、不機嫌、不能率・・・。1週間もこのような状態が続こうものなら、途中で意欲も萎えてきます。
 いっぽう、入試や大会など大切なイベントの前には、しっかり睡眠をとって万全の体調で臨もうとするのですが、横になってもなかなか寝付けず、苦しい思いをすることもありますね。

 睡眠をうまく操れたらどんなに快適だろう、とよこしまな気持もあって、手に取ったのが、「睡眠の科学」 (講談社ブルーバックス、櫻井武著)。
 睡眠の研究が科学的に進められるようになって、まだ五十年。歴史の浅い分野です。最近では脳機能画像診断装置が研究に導入され、脳細胞の活動の様子がわかるようになってきました。また脳細胞同士の連絡役を果たしている神経伝達物質の研究も進み、睡眠と覚醒をコントロールするメカニズムも解明されつつあるようです。
 そんな中から、すぐに健康づくりに役立ちそうな話題をご紹介しましょう。

 睡眠をうまく操れたらどんなに快適だろう、とよこしまな気持もあって、手に取ったのが、「睡眠の科学」(講談社ブルーバックス、櫻井武著)。
 睡眠の研究が科学的に進められるようになって、まだ五十年。歴史の浅い分野です。最近では脳機能画像診断装置が研究に導入され、脳細胞の活動の様子がわかるようになってきました。また脳細胞同士の連絡役を果たしている神経伝達物質の研究も進み、睡眠と覚醒をコントロールするメカニズムも解明されつつあるようです。
 そんな中から、すぐに健康づくりに役立ちそうな話題をご紹介しましょう。

○動物実験では、睡眠をとらせないとアルツハイマー病と関係のあるアミロイドβタンパク質が脳細胞で増えるが、睡眠をとると減少する。よく眠る ことは、認知症の予防につながる可能性がある。
○夢をみていない深い眠り(ノンレム睡眠)の時には、睡眠中枢(視床下部) が意図的に脳細胞全体の活動性を低下させ、休息させる。これが脳を損傷 から守ってくれている。
○レム睡眠(夢を見ている睡眠)の時には、感情や記憶に関係する海馬や扁 桃体の活動性が高まる。理性の脳(前頭前野)の活動性が落ちているため 、夢の内容は断片的で支離滅裂となる。このプロセスは記憶の定着に重要 と考えられている。大切な情報とあまり重要でない情報を区別して、記憶 に残すべきことを整理している。楽器の演奏や運動スキルなどの「手続き 記憶」にも睡眠が重要な役割を果たしている。
○睡眠と覚醒のバランスを切り替えるのは脳内の生理活性物質。そのひとつオレキシンは覚醒状態をもたらす。オレキシンは喜怒哀楽などの情動で増加するため、興奮したり、不安な時には眠れないという状態をもたらす。
 血糖値が下がるとオレキシンが増加、「空腹で眠れない」状態を引き起こす。
○睡眠中枢と摂食中枢はお互いにシグナルをやり取りしており関係が深い。睡眠不足は食欲のコントロールを乱し、メタボを引き起こしやすい。
 ここにご紹介したのは一部分だけですが、睡眠の科学の奥深さを味わうことができます。

 結論を言えば、睡眠をがんばって削って仕事するよりも、睡眠時間を確保できるような仕事の仕方のほうが脳に負担が少なく、記憶力も作業効率も高まるというわけです。またメタボ対策にも睡眠を考える必要があります。
 私も「睡眠時間の確保」をまず優先して考え、逆算してスケジュールを決めるように心がけたいと思います。時には睡眠不足になることはあっても、翌日には挽回して脳細胞を守りたいですね。