Vol.96(2006年5月16日配信)

あいち健康プラザEニュース Vol.96(2006年05月16日)

 あいち健康プラザEニュースは、手軽に役立つ健康情報とあいち健康プラザ
の情報を皆さんにお届けするため、月に2回(毎月1日及び16日前後)発行
するメールマガジンです。

Vol.96の内容

☆ 健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話46
「“マーガリンよりバターを”」
健康科学総合センター長 富永祐民

☆ 健康一口メモ
「肺と呼吸とからだの神秘」
   健康科学総合センター健康促進部 金子智隆

☆ あいち健康プラザのイベント情報

☆ 健康開発館だより 
  「ウエスト周囲径(臍周囲)を測ります」
   健康科学総合センター健康開発部 保健師 長尾文子

☆ 情報ライブラリーのおすすめ図書
   健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

☆ 編集後記
   健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

☆ 配信案内

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☆健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話46

「“マーガリンよりバターを”」

  健康科学総合センター長 富永祐民

 豚肉、牛肉、牛乳、鶏卵などの動物性脂肪の多い食品の過剰摂取は血清コレ
ステロール値を上げ、心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化性心疾患の危険性を高
めるので、控えめにする必要があると言われてきました。これに反して植物性
脂肪は血清コレステロール値を上げないので、動物性脂肪の摂取を減らして、
植物性脂肪で置き換えた方がよいと言われてきました。そこで、トーストにつ
けるバターも植物油でできたマーガリンに変えるべきだと言われてきました。

 しかし、名古屋市立大学名誉教授(現金城学院大学薬学部教授)の奥山治美
先生は“マーガリンより、バターの方が安全である”と主張されているのです。

その根拠としては、昔は高コレステロール血症は動脈硬化性心疾患の危険因
子であると一方的に危険視されていましたが、その後の疫学的研究から血清コ
レステロール値が低い場合はがんリスクが高くなり、死亡率も高くなること、
紅花油やひまわり油に多量に含まれているn-6系のリノール酸は摂りすぎる
とアルファリノレン酸の相対的な不足をもたらし、アラキドン酸代謝経路を介
して炎症性疾患、アレルギー性疾患、心疾患、がんなどを増やす可能性がある
こと、脳卒中ラットを用いた動物実験からもリノール酸やオレイン酸が多い食
用油では寿命短縮作用がある可能性があること、などがあげられています。

 逆に、動物実験で延命効果が証明されたのはシソ油(エゴマ油)、DHA魚
油などです。シソ油(エゴマ油)にはDHAと同じく、n-3系のアルファリ
ノレン酸が多量に含まれています。意外なのは1価不飽和脂肪酸のオレイン酸
が多量に含まれているオリーブ油で、健康によい食品と言われていましたが、
奥山教授らの動物実験からは寿命を短縮する可能性があることが示唆されてい
ます。地中海食は健康食と言われ、オリーブ油と魚が代表的ですが、むしろオ
リーブ油より魚が健康によい結果をもたらしていた可能性があります。

 このような実験結果や介入試験の結果から奥山教授は、1)血清コレステロ
ール値を下げる薬物療法や食事療法は40-50歳以上の一般集団には不適で、
血清コレステロール値が高い方が長生きしている、2)n-6系のリノール酸
の過剰摂取は心疾患、がん、アレルギー性疾患、炎症性疾患を増やす可能性が
ある、3)数種の植物製油と水素添加した硬化油は動物には有害であり、長期
的には食用に不適で、“マーガリンよりバターを”と結論づけておられます。

 上記は奥山教授が去る平成18年1月24日に名古屋市内で開催された第1
6回日本疫学会学術集会のランチョンセミナーで講演された内容の要旨ですが、
奥山教授の学説をどのように受け入れるべきでしょうか?ちなみに、筆者は以
前から奥山教授の研究成果を聞いていましたし、血清コレステロール値を下げ
ると発がんリスクが高くなるという介入試験の結果や高齢者では血清コレステ
ロール値が少し高目の人、肥満傾向の人が長生きしていることを知っていまし
たので、最近はトーストにはマーガリンを使わず、少量のバターを使っていま
す。

 奥山教授らの実験ではオリーブ油は寿命を短縮させる可能性があり、食用に
不適のレッテルが貼られていますが、オリーブ油にはオレイン酸の他にポリフ
ェノールも多量に含まれていますので、最近は少し控えめにしながらも使用し
ています。また、奥山教授お勧めのシソ油(エゴマ油)にはn-3系のアルフ
ァリノレン酸が多量に含まれており、健康によいと思いますが、少し高価なの
が欠点です。

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☆健康一口メモ

 「肺と呼吸とからだの神秘」
 
  健康科学総合センター健康促進部 金子智隆

 私たちが、普段何気なく行っている呼吸は、からだに新鮮な空気(酸素)を
送り込み、からだの中でつくられた二酸化炭素を吐き出すはたらきがあります。
もしもこのはたらきが10分間止まってしまったら、人間は生きていることが
できません。この酸素と二酸化炭素のガスの交換を行っているところが肺です。

 肺は肺胞と呼ばれる小さな袋の集まりで、肺胞の数は両方の肺を合わせると
約6億個あると言われています。これらの肺胞の表面積は全て合わせると60
平方メートル。テニスコートの4分の1程度になると言われています。ひとつ
ひとつの肺胞の周りには毛細血管がとりまき、酸素と二酸化炭素はそこで交換
されます。

 また、呼吸は横隔膜や肋間筋といった呼吸筋が動くことによって行われ、そ
れによってはじめて肺は大きく膨らんだり、小さく萎みます。肺と呼吸筋のよ
うに、からだのそれぞれの器官は独特なはたらきをしながらも、お互いに連携
し合い、健康なからだを維持しているのですね。まさに神秘です。

 健康づくりを考える時に、まずは私たちのからだの仕組みとはたらきを知る
ことが大切になります。健康科学館の展示室1では、からだの仕組みやはたら
きについて見て、触れて理解し、考えることができます。健康づくりの第一歩
を健康科学館からはじめてみませんか?



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☆あいち健康プラザのイベント情報

●世界禁煙デーをご存知ですか?

 毎年5月31日は、世界禁煙デーです。
この日はWHOが定め、喫煙者には24時間の喫煙を控えるように呼びかけ、
各国政府・自治体・個人については喫煙と健康について考えるように呼びかけ
ているものですが、今年ですでに19回目になります。

 日本では、厚生労働省が平成4年から、5月31日から6月6日までを禁煙
週間と定めて様々なイベントを行っています。
あいち健康プラザでは、5月27日(土)に関連イベントを行います。
また、5月31日(水)は終日禁煙タイムとします。
詳しくは、ホームページを御覧ください。
 ⇒http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000002500/hpg000002484.htm


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☆健康開発館だより

「ウエスト周囲径(臍周囲)を測ります」

  健康科学総合センター健康開発部 保健師 長尾文子 

あいち健康プラザの健康開発館では、簡易健康度評価を実施しています。簡
単な体調チェック、生活習慣チェック、体力測定の他に、4月よりウエスト周
囲径(臍周囲)の計測が加わりました。今話題の、メタボリックシンドローム
の診断基準でウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上ある人は、内
臓脂肪型肥満であるとされているからです。

身長、体重、血圧を測定した後、保健師がメジャーを持って、いざ計測の説
明をし始めると、まずは「エッ?」という反応。次に、「ウソー、ホントー?」
、「まあどうしましょう」という人、「ああ知ってるよ」「フンフンそうだよ
ネ」という人。そして、「ハイどうぞ」と、上衣をひょいと上げてくれたり、
ズボンを下げてくれたり「オヘソはここです」とお腹を出してくれたりして、
けっこうスムーズに進んでゆきます。保健師はうれしい気持ちで、しっかり正
確に計測します。さて、その結果は、「ワー、意外とあるわ」、「やっぱり」、
「まだイイネ」、「ホッ」等、ひとそれぞれの反応です。

一通りの健康チェックを終えて、結果説明を保健師が担当します。今ある健
康上の問題の原因が、運動・食事・休養習慣の中にひそんでいるかどうか、生
活習慣を見直すキッカケとし、運動実践や食事の見直しなど、健康づくり実践
へとつなげてゆきます。

さあ、内臓脂肪が余分についている方、適度な運動とバランスのとれた食生
活、自分に合った休養方法を身につけ、メジャーが怖くない自分になりましょ
う。


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☆情報ライブラリーのおすすめ図書
健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

今月の情報ライブラリーのテーマは、「たばこ」です。
前号に引き続き、たばこにまつわる書籍を紹介しますが、今回は複数冊紹介
したいと思います。


・「スモークハラスメント」  山本由美子(1993/11 新風社)
 たばこが苦手な著者の視線から、いくつかの事例をあげたエッセイ。
 禁煙車輌でたばこを吸う人、銀行のCDコーナーで待っている時にたばこを
吸う人、寄席の席でたばこを吸う人、禁煙席はあるのだが・・など。
 健康増進法もない、禁煙車輌も今ほど多くない時代のお話ですが、今読んで
もはっとさせられることも多いのではないでしょうか。


・「タバコはなぜやめられないか」 宮里勝政(1993/01 岩波新書)
 たばこをやめたいのにやめられない。そんなたばこ依存を解く鍵は、実はニ
コチンに対する薬物中毒の解明にある・・・
 脳との関連、依存の特徴、飲酒、ストレスとの関係などを交えて、依存脱出
への道を探る本書。
 新書版なので、読書の時間のとりにくい方におすすめです。


・「胎児からはじまるタバコ病」 内田和仁(1998/07 築地書館)
 吸っている人も、吸わない人も、気がついたらみんなタバコ病?!
 咳が出て、ちょっと動いただけで息切れして苦しくなる肺気腫。
 たばこを吸い続けてると起こりうる弊害ですが、何も直接吸う人だけじゃな
い・・受動喫煙の影響がわかりやすく載っています。
 喫煙習慣のあるお父さんお母さんに、おすすめです。


・「メールでやめる禁煙マラソン」 高橋裕子(2005/02 ダイヤモンド社)
 1997年から始まった禁煙マラソン。禁煙希望者をランナーに見立て、医療ア
ドバイザーや先輩のアドバイザーが様々な質問に答えるもので、それをメール
でやり取りする時のQ&Aを集めたのが本書。
 始めたばかりの頃の懐疑的な内容から、挫折して吸ってしまった人の内容、
やり遂げた人の達成感あふれる喜びの内容やら、リアルな内容がいくつも紹介
されています。



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☆編集後記
健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正 

今月末はイベント情報でも触れました禁煙週間、そして世界禁煙デーです。
 それにあわせて、前号と今号のE-Newsでも、特にたばこにこだわった
内容でお送りしました。
 イベントとあわせて、たばこを吸う方も吸わない方も、考えるちょっとした
きっかけになれば幸いです。


 「あいち健康プラザEニュース」へのご意見・ご要望をお待ちしております。

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☆配信案内

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