Vol.103(2006年9月1日配信)

あいち健康プラザEニュース Vol.103(2006年09月01日)

 あいち健康プラザEニュースは、手軽に役立つ健康情報とあいち健康プラザ
の情報を皆さんにお届けするため、月に2回(毎月1日及び16日前後)発行す
るメールマガジンです。

Vol.103の内容

☆ 健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話53
「喫煙、飲酒は乳がんの原因」
健康科学総合センター長 富永祐民

☆ 健康一口メモ
  「天高く馬肥ゆる秋 到来です。」
   健康科学総合センター健康開発部 管理栄養士 早瀬須美子

☆ あいち健康プラザのイベント情報

☆ 健康開発館だより 
  「考えるよりも動いてみては?」
   健康科学総合センター健康開発部 保健師 神崎友子 

☆ 情報ライブラリーのおすすめ図書
   健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

☆ 編集後記
   健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

☆ 配信案内

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☆健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話53

 「喫煙、飲酒は乳がんの原因」

  健康科学総合センター長 富永祐民

 9月はがん征圧月間ですから、今回はがんにちなんだ話題をご紹介致します。
この欄では健康づくり、生活習慣病予防に関する話題を広く取り上げてきました
が、がんに関する話題はめったに取り上げていません(2005年11月1日号の
「大豆の乳がん、前立腺がん予防作用」が最後)。しかし、がんも立派な生活習
慣病です。喫煙と肺がんの関係を考えても明らかです。喫煙と飲酒といえば、
食道がん、口腔がん、肝臓がんの原因のように聞こえますが、最近の疫学研究
から乳がんの原因でもあることがわかりました。

 わが国では古く1960年から全国の住民約26万5千人を対象とした大規模な
疫学調査が行われていましたが、その後生活習慣も大きく変わり、約15年前か
ら文部科学省と厚生労働省の研究費で大規模な疫学研究(10-15万人以上
の地域住民について、10年間以上フォローアップ)が行われています。
ここでは紙面の制約から、両省の研究費で行われた疫学研究から最近1,2年
以内に報告された研究の内、注目に値する研究成果を2,3紹介いたします。

 愛知県がんセンター研究所疫学・予防部の若井健志室長らは文部科学省の
大規模がん疫学研究から、新鮮な魚の頻回摂取は乳がんの予防に役立ち、植
物性脂肪は意外にも乳がんリスクをあげること、むしろこれまで悪いと言われて
きた動物性脂肪の方が僅かではあるが、乳がんリスクを下げることを報告して
います(本年5月15日号の「マーガリンよりバターを」をご参照下さい)。

 不飽和脂肪酸に富む新鮮な魚類は乳がんの予防のみでなく、大腸がん、肺
がんの予防にも役立つ可能性があることも別の研究者により報告されています。

 飲酒は乳がんのリスクをあげることが多くの研究者により報告されています
が、愛知医科大学公衆衛生学教室の林(リン)櫻松講師らは文部科学省の大
規模疫学研究から、飲酒習慣のある女性では飲酒習慣のない女性に比べて
乳がんリスクが1.27倍高くなっていると報告しています。この研究から1日当
たりのアルコール摂取量が15グラム(日本酒換算で約0.6合)以下であれば
乳がんリスクは僅かしか上昇していませんが、15グラム以上の女性では乳が
んリスクが約3倍も上昇していると報告しています。女性の多量飲酒は何かに
つけ禁物のようです。

 林博士らは同じ研究から、1日のアルコール摂取量が0.1から22.9グラム
(日本酒換算で0.9合以下)の飲酒者では、非飲酒者に比べて全死因死亡率
が男性で0.80倍に、女性で0.88倍に低下していると報告しています。しか
し、多量飲酒者(1日当たりのアルコール摂取量が69グラム以上、日本酒換
算で約3合以上)では、がん、心臓病、その他の外死因などのリスクが有意に
上昇していることを明らかにしています。 これらの研究からも節酒(少量飲酒)
は百薬の長、多量飲酒は有害であることが確認されています。

 厚生労働省の大規模疫学研究からも多くの研究報告がありますが、注目さ
れるのは、女性の喫煙者では乳がんリスクが約2倍高くなっていること、特に閉
経前の喫煙女性では、自分自身は喫煙せず、受動喫煙もしていない女性に比
べて、乳がんリスク約4倍高く、受動喫煙によっても約2.5倍高くなっていること
です。また、この研究では受動喫煙と乳がんの関係は、家庭での夫の喫煙に
よる受動喫煙よりも職場の同僚による受動喫煙の影響が大きいことも明らかに
されています。これは働く女性が多くなっている現在、職場での受動喫煙対策
の重要性を示しています。

 喫煙と乳がんの関係については否定的な研究報告も多いのですが、今回紹
介した厚生労働省の研究は約2万人の40歳から59歳までの地域住民を10年
間以上追跡した研究で、研究方法もすぐれており、この研究報告は信頼し得る
と考えられます。

 乳がんの予防のためには、禁煙、節酒、食べ過ぎと肥満の防止、魚の頻回
摂取、身体活動などが役立つようです。これらの生活習慣は健康づくり、一般
的な生活習慣病の予防と大差がありませんね。このような生活習慣をしている
と、知らず知らずの内にがんや認知症の予防もできるのです。




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☆健康一口メモ

 「天高く馬肥ゆる秋 到来です。」
 
  健康科学総合センター健康開発部 管理栄養士 早瀬須美子

 秋はさんま、さばなどの背の青い魚が旬をむかえます。背の青い魚は白身の
魚より、魚油を多く含みます。この魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸はEPA
(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれるもので、コレス
テロール低下作用や血栓を防ぐ作用があります。ですから背の青い魚は、生活
習慣病予防にはもってこいの食品といえます。毎日の献立に是非利用してくだ
さい。

 でも、「どれだけでも食べて良いか?」は別の話。昔よりさんまやさばが美味し
くなったと感じていませんか?これは昔より魚の脂質量が増えたせい。脂質は
料理にコクを与え、美味しく感じさせます。平成12年に日本食品成分表が改訂
され、栄養士の私たちでさえ驚いたことがありました。その代表が「さんま」でし
た。旧の食品成分表では100gあたり240kcalだったのに、新(五訂)食品成分
表ではなんと70kcalもアップした310kcalとなっていました。さばも昔流通して
いたものではなくて、たいせいようさばと呼ばれる種類が多く流通しています。
これもまた100gあたり326kcalと高カロリー。
「よく脂が乗って美味しいね」といっている場合ではなくなりました。つまり、いく
ら体に良いといっても、食べ過ぎてしまってはかえって肥満を招くなど健康を損
ねてしまう原因にもなりかねません。どうやら適量が肝心のようです。

 ではどのくらい食べるのが適量なのでしょうか。成人の方ならおおよそ1日に
魚から80~100kcalくらい摂取するのが理想です。さんまなら1/3尾、さばな
ら1/8尾(半身で購入の場合は4等分にカットすれば1/8尾)となります。「こ
んな少しの量ではせっかくの魚油の効能がいただけない」と思われる方もいら
っしゃるかもしれませんが、その心配は御無用!

 1日に小さなサイズ1切れで、十分なEPA、DHAをとることができるからです。

 「天高く馬肥ゆる秋」。健康のためには 青魚1日1切れ(小サイズ)がお勧め
です。



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☆あいち健康プラザのイベント情報

●今年も、「あいち県民健康祭」を開催します!
9月の健康増進普及月間にあわせて、あいち健康プラザでは毎年「あいち県
民健康祭」を開催しています。
健康と美の旅人・デューク更家さんのウォーキングストレッチや、タクマ&
みゆきのマジックショー、今話題のピラティスなど、「カラダ癒す、ココロ洗う」
2日間です。

◇日 程  9月16日(土)、17日(日)
◇入場料  無料(ただし、一部有料イベントもあります。)

詳しくは→
http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000002600/hpg000002521.htm


●今年の健康科学館秋の特別展示は、9月16日から!
 「おしえて!健康づくり大百科」(9月16日(土)~12月10日(日))
  秋は生活習慣病をテーマに開催。お子様だけでなく、お父さんお母さんも
 必見!ですよ。
詳しくは→
http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000002600/hpg000002524.htm



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☆健康開発館だより

 「考えるよりも動いてみては?」

  健康科学総合センター健康開発部 保健師 神崎友子

日曜日の夕方に、サザエさんのテーマ曲が流れてくると「もう休日も終わり
だなぁ」、「明日は月曜日か」などと考えたり、天気予報で明日は一日中雨
が降ると聞くと「いやだなぁ」と思い、ついついうつむいてしまう。そんな経験
はありませんか?

 当たり前の事ですが、「明日から仕事かぁ」などと考えても、考えなくても月
曜日は必ずやって来ますし、雨の日には雨が降ります。同じように、気にな
るお腹に備蓄された脂肪をつまんでため息をついていても、脂肪は燃焼しな
いのです。

こんなふうに物事を見てみると、考えるだけで物事が解決したり、自分が望
む状態になる事は案外少ないものです。

そこで、考えて込んで動けなくなってしまうよりも、「とりあえずできること」を
始めてみてはいかがでしょうか?

「10kg減量しなくては」、「禁酒しなくては」などと考えているよりも、「とりあ
えず月曜日は飲まない」、「明日は一駅歩いてみよう」など、アクションを起
こしてみてください。案外、すんなりやれてしまう自分に驚かれることと思い
ます。

考え込んで動けなくなってしまう「頭モード」から、とりあえずアクションを起こ
してみる「身体モード」へ、心のスイッチを切り替えるお手伝いは、あいち健
康プラザの保健師にお声がけ下さいね。



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☆情報ライブラリーのおすすめ図書
 健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

9月の情報ライブラリーのテーマは、「がん」です。
 今号と、次号の2回にわたって、「がん」にまつわる書籍を紹介したいと思
います。


・「がんに生かされて」 飯島夏樹(2005/3 新潮社)
 日本人唯一の8年間ワールドカップに出場したプロウインドサーファーで、
2005年2月に惜しまれつつ亡くなった同氏が、直前まで新潮社ホームペー
ジに連載していたものをまとめたものが本書。
 「不治の病」とは言われなくなりましたが、今なお難病に違いないがんとど
う向き合っていったのか・・・


・「ためしてガッテン こうすればがんは防げる」 
  NHK科学・環境番組部編(2003/7 小学館)
 NHKの人気番組から生まれた、漫画による読み物。
 がんとはどんな病気で、どんなメカニズムで起こりうるのか、転移はなぜ起
こるのか、など、非常に分かりやすくまとまっています。 


・「ためしてガッテン こうすればがんは防げる がん治療最前線」
 NHK科学・環境番組部編(2003/12 小学館)
 先述のシリーズの続編です。
 シリーズ前作が「我々はどうすればいいのか」という視点に対して、本書は
「では、どんな治療が施され、どのような研究が進んでいるのか」という中身
が紹介されています。
 2冊セットで読むといいかもしれませんね。


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☆編集後記
 健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正

9月は厚生労働省が定める、健康増進普及月間です。

 イベント情報で告知しているとおり、それにあわせまして「あいち県民健康
祭」を開催します。
 皆様に楽しんでいただきながら健康づくりに対する関心を深めていただこう
と、只今準備を進めているところです。

 皆様、是非お越しください。
 
 



 「あいち健康プラザEニュース」へのご意見・ご要望をお待ちしております。

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☆配信案内

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