Vol.114(2007年2月16日配信)

あいち健康プラザEニュース Vol.114(2007年02月16日)

 あいち健康プラザEニュースは、手軽に役立つ健康情報とあいち健康プラザ
の情報を皆さんにお届けするため、月に2回(毎月1日及び16日前後)発行
するメールマガジンです。

Vol.114の内容

☆ 健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話64
「コーヒーの糖尿病予防作用」
健康科学総合センター長 富永祐民

☆ 健康一口メモ
  「幻の酒道」
   健康科学総合センター健康促進部 西川和彦

☆ あいち健康プラザのイベント情報

☆ 健康開発館だより 
  「教室で意識改革」
   健康科学総合センター健康開発部 運動指導員 松本沙希 

☆ 情報ライブラリーのおすすめ図書
  2月のテーマ「循環器疾患」  
   健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正   

☆ 編集後記 

☆ 配信案内

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☆健康づくりと生活習慣病予防こぼれ話64

 「コーヒーの糖尿病予防作用」

  健康科学総合センター長 富永祐民


 本欄の19話(2005年4月1日号)で「コーヒーのがん予防作用」を紹介致しま
した。簡単に復習しますと、コーヒーには200-300種類の抗酸化物質が含ま
れており、1杯のホットコーヒーの抗酸化作用はレモン3個分に相当する程強い
のです。数年前に愛知県がんセンター研究所疫学・予防部で行った疫学研究
によると、コーヒーを毎日飲む人ではほとんど飲まない人に比べて、胃がんと大
腸がん(特に、直腸がん)に罹る率(リスク)が半減していることがわかりました。
2005年には国内の4つの研究グループが相前後してコーヒーを毎日飲む人で
はほとんど飲まない人に比べて肝臓がんリスクが半減していると報告しました。
さらに、当時すでに九州大学大学院医学研究科予防医学教室では耐糖能異常
を示した男性自衛官を対象として疫学研究を行い、コーヒーを毎日飲む者では
食後の血糖上昇が抑制され、2型糖尿病への進展が抑制される可能性がある
と報告しています。今回はコーヒーと2型糖尿病の関係に関するいくつかの研
究結果を紹介します。

 オランダのファン・ダム博士らは2005年1月までに報告されたコーヒーと2
型糖尿病に関する論文を系統的に調べ、16件の論文を見つけました。その内
の大規模なコホート研究(追跡研究)9件の全対象者(約193,000人、その
内2型糖尿病の新規発生者約8,400人)のデータをプールしてコーヒー摂取
量(4段階に分類)と2型糖尿病リスクの関係を分析しました。その結果、コー
ヒー摂取量が最も少ない(1日に0-2杯)の群に比べて、最もよく摂取してい
た(1日に6-7杯以上)群の2型糖尿病リスクは0.65倍に低下していました。
コーヒーの摂取量が1日に4-6杯の群でも2型糖尿病リスクは0.72倍に低
下していました。コホート研究以外の断面的な研究でも、コーヒーをよく摂取す
る人では高血糖症を合併している率が低くなっていました。

 その後、わが国で行われた研究でも国立医療センターの野田光彦部長は虎
ノ門病院に勤務していた時に東京都葛飾区の住民を対象としてコーヒー摂取と
糖尿病との関係を調べ、コーヒー摂取が週に1回未満の人に比べて、週に5回
以上の人では2型糖尿病リスクは0.61倍に低下していることを明らかにして
います(出典:2006年2月12日の日経新聞)。日本人でコーヒーを1日に6-
7杯も飲む人は少ないと思いますが、1日に2-3杯飲んでも2型糖尿病の予防
効果があるようです。

 コーヒーをのむとなぜ2型糖尿病に罹りにくいのかという理由はよくわかりま
せんが、コーヒーにはカフェインが含まれていますから、交感神経を刺激し、エ
ネルギー消費を高め、脂肪の分解を促進する効果があるためではないかと推
測されています。それなら、コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶にも同じ効果があ
りそうですが、実際に大阪大学医学部公衆衛生学教室の磯博康教授らは日本
の25地域で行われた疫学研究から、緑茶をほとんど飲まない人に比べて緑茶
を毎日飲む人では2型糖尿病リスクが0.6-0.8倍に低下していること、紅茶
やウーロン茶にも僅かながら2型糖尿病の予防効果があることを認めています。
磯教授らの研究でもコーヒーをほとんど飲まない人に比べて、コーヒーを1日に
3杯以上飲む人では2型糖尿病リスクが0.63倍に低下していることを認めて
います。また、磯教授らは何らかの飲料摂取によるカフェインの総摂取量によ
り5群に分けて2型糖尿病リスクを計算していますが、最も摂取量が少ない群
(平均57mg/日)に比べて、最も摂取量の多い群(平均416mg/日)では2
型糖尿病リスクが0.67倍に低下していること、この関係は女性と過体重(BM
Iが25以上)の男性でより明らかであったと報告しています。

 今回ご紹介した研究結果は、コーヒー好きで、緑茶もよく飲む筆者にとって
は福音です。読者の皆様もゆっくりした雰囲気でコーヒーや緑茶をお楽しみ下
さい。


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☆健康一口メモ

 「幻の酒道」
 
  健康科学総合センター健康促進部 西川和彦


 今年は例年に比べて比較的穏やかな日が続いていますが、みなさんはいか
がお過ごしでしょうか。
 さて、寒い夜にはひょっとして、みなさんの中に、手っ取り早く体の暖をとるた
めに、燗をつけた日本酒で軽く一杯なんて言いながら、毎晩お酒を飲みすぎて
いる方はいませんか。ご存知のとおり、過度の飲酒は身体の各部に様々な悪
影響をもたらすことがありますので、常に適量を心がけ、飲み方も注意しなけ
ればいけません。
 さて、そのお酒の飲み方に関してですが、過日、非常に興味深い話を聞きま
したので、みなさんにご紹介したいと思います。

 今から500年程前の室町時代末期に、我が国には酒の飲み方、つぎ方、返
杯の仕方など酒席における礼儀作法を修養する「酒道(しゅどう)」と呼ばれる
修道が存在したそうです。
 そして、この酒道は、理由は分かりませんが、茶道や華道のように栄えること
がなく、いつの間にか消えてしまったため、現代においては幻の修道と言われ
ているそうです。

 酒道には、公家流、武家流、商家流の三つの流儀があったそうで、公家流は
精神を統一し、一定の流儀の下できき酒の競技を行い、武家流は「二人盃(に
にんはい)」や「主人餐(あるじうけ)」と呼ばれる複数人・集団による酒席
における精神修養を行い、商家流は酒席における酌の仕方や礼儀作法などの
修養を目的として行われました。
 そして、この三つの流儀のうち、特に武家流については『酌の次第』と呼ばれ
る古文書が現在に残っており、その内容を詳しく窺い知ることができます。

 ここで、その例を幾つか挙げますと、以下のとおりです。

1 盃を出す場合に、主人と客人が同輩ならば、少し客人の側へ寄せて置くこ
 と。
2 夜に盃を出す場合は、酒を飲む人と燭台の間に置くこと。
3 酌をする人は、まず、酒を飲む人の前に銚子を置き、両手で盃を取り、そ
 れを右手に持ち替え、空いた左手で折敷(おしき)と呼ばれる盆を取り、その
上に盃を乗せ、置いておいた銚子で酒を注ぐこと。
4 盃を持ち運ぶ時は、途中で落とさないように、盃のふちだけを持つのでは
 なく、盃の内側に親指をかけてしっかり持つこと。

 なんだか、現代の私たちにとっては、とても堅苦しく感じられますよね。茶道
や華道のように栄えなかった理由がなんとなく分かる気がします。
 なお、当該古文書には、この他にも細かい作法が多数掲載されており、その
数は全部で121項目にも及びます。興味のある方、もしくは現在の自分のお
酒の飲み方を見直そうと考えている方は、一度、その全てを読み解いてみて
はいかがでしょうか。

 せっかくだけど、ちょっと難しそうだから遠慮しますという方は、あいち健康プ
ラザ健康科学館の展示室内に、お酒の飲み方等をとても分かりやすく紹介し
た「アルコールの科学」というコーナーがありますので是非おこしください。


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☆あいち健康プラザのイベント情報


◇健康づくり一日体験!◇
●健康づくり教室一日実践型「ウエルネス教室」
 一日で検査結果から実技指導、講義まで体験!多忙な方におすすめです!
 ◆日時 平成19年3月3日(土)
     9:00~16:00
 ◆定員 15名
 ◆締切 平成19年2月28日(水)
 詳しくは、こちらをクリック!
 →http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000001300/hpg000001235.htm

◇冬は、からだを動かしてHOTになろう!◇
●アスレチックルームイベント「アスレde燃やせ!!!」
 平成19年3月31日(土)まで、好評開催中!
 詳しくは、こちらをクリック!
 →http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000002600/hpg000002586.htm

◇何ができるかな?◇
●土曜おもしろ科学館「牛乳の実験」
 からだを丈夫にする栄養素がい~っぱいの牛乳から、何ができるかな?
 ◆日時 平成19年2月24日(土)10:00~12:00
 ◆定員 小中学生40名
 詳しくは、こちらをクリック! 
 →http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000001400/hpg000001389.htm

◇まだまだ、道場入門者募集!!◇
●健康科学館冬の特別展示「なりきり!忍者道場」
 ~平成19年3月4日(日)まで 好評開催中!
 忍者に必要なのは、知力・体力・集中力。
 キミも、忍者道場で修業しよう!!
 詳しくは、こちらをクリック
 →http://www.ahv.pref.aichi.jp/hp/page000002600/hpg000002569.htm


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☆健康開発館だより

 「教室で意識改革」

  健康科学総合センター健康開発部 運動指導員 松本沙希


 2007年も早2ヶ月が過ぎました。今年は暖冬とはいえ、朝夕の寒さは厳しい
ものがありますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

 今回は北名古屋市健康ドームで行われている「糖尿病予防教室」を通して私
が感じたことをお話したいと思います。

今回の教室は8月末~2月末までの全24回の長期間の教室になっています。
教室が始まった当初、参加者の方々は教室が終わると早々と帰られていました。
しかし、回を重ねるごとに教室前や後に自主的にトレーニングルームで運動さ
れる方が増えてきました。また、参加者同士お友達になり、実践記録表を見比
べたりして、励ましあったりもしています。表情もイキイキしてきました。

 正月をはさんで前後に行われたグループワークもたくさんの意見が飛び交い、
おおいに盛り上がりました。教室当初、「お饅頭何個でも食べれちゃうのよね~」
と仰っていたのが嘘のよう!正月後のグループワークでは、歩数計を気にした
り、お餅を控えたり、台所で足踏みしたなど、ばっちり意識改革されていました。
ダイエットの大敵、お正月も見事に乗り切れたようです。気持ち一つでこんなに
も行動が変わってくるものなんだなと改めて実感しました。

 教室も残りわずか・・・。参加者の方々と毎週お会いできなくなるのは寂しい
ですが、良い生活習慣をこのまま定着していただけるよう、皆さんと一丸となっ
て頑張ります。

 暖かくなり、心踊る春に向けて、皆様も意識改革してみてはいかがでしょう
か??


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☆情報ライブラリーのおすすめ図書
 
 2月のテーマ「循環器疾患」  
 
  健康科学総合センター健康促進部 櫛原照正 


 2月の情報ライブラリーのテーマは、「循環器疾患」です。
前号と今号で、テーマに沿った書籍を紹介します。

・「心臓病 再発防止・予防自己診断カルテ」 
                板岡俊成監修(1996/10 大栄出版)
 人間の臓器として非常に重要な心臓ですが、しくみや心臓病に見られるよう
な症状は知らない方も多いのではないかと思います。
 本書は、心臓のしくみから、心臓病に関連する病気(糖尿病、狭心症、通風
など)のチェックリスト、心臓病に見られる症状の解説(胸痛、頭痛、めまい、
吐き気、動悸、息切れ、夜間多尿など)、再発予防チェックリストと解説(タ
バコ、便秘、外食など)で、自分で見つけられるように工夫されています。
 当てはまるものが多かったら、要注意ですよ。

・「心臓病の予防・治療と生活のしかた」
               伊東春樹著(2002/12 主婦と生活社)
 本書は、「では自覚症状があったら、どんな検査が必要か」と、治療の進め
方などを中心に解説されています。
 心臓を守る日常の過ごし方も20ページにわたり記述されていますが、心臓
にいい運動とそうでない運動があったり、前号で触れた「Aタイプ」の性格の
コントロール法、高齢者の生活などが紹介されています。
 自覚症状も何もないうちから、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょ
うか?
 
・「高脂血症を治す食事と献立」
           山田信博・谷口雅子共著(2000/10 池田書店)
 コレステロールが高い人向けのメニュー、中性脂肪が多い人向けのメニュー、
体脂肪率が高い人向けのメニューなど、111のメニューをカラーで紹介され
ていますが、あれもだめ・これもだめではなく、見た目も非常においしそうな
ものなので、ご家庭ですぐ取り入れられそうなものばかりです。
 後半は2色刷りページで、高脂血症についても知識、ご家庭でできる予防法
など紹介されています。
 字が大きくて見やすいので、日常の献立に取り入れてみてはいかがでしょう
か。


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☆編集後記

 暦の上では既に立春が過ぎていますが、暖冬とはいえコートがいらない季節
はまだ先のようにも思えますね。

 ところで、健康づくり教室のプログラムも18年度開催分は数教室を開催す
るのみとなりましたが、現在19年度のプログラムを準備中です。
 今年度、受けそびれてしまった方や、最近になって「こんなプログラムも開
催していたんだ」と知った方に。
 もちろん、「すごくよかったからまた受けたい!」という方にも。 

 皆様にお知らせできる準備をしているところです。
 もう少々、お待ちくださいね。


 「あいち健康プラザEニュース」へのご意見・ご要望をお待ちしております。

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☆配信案内

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